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先生は何かを思い出したように声を発した。
そして振り返り…
「名波ぁー…ちょっと来い」
まさかの俺指名ですか…。
渋々、席を立ち先生のもとへ。
「いちいち大きな声、出さなくても聞こえますよ。」
「ハハッ、わりーね。ここじゃ何だ、歩きながら話すっか?」
そうですね、と相槌を打って歩き出した。
「…んでさー。名波さぁ、志望高校どこにすんの?」
「はい?」
いきなり過ぎて思わず聞き返してしまった。
いや…いきなり、ではないけど。
確かに受験生だし、実際どの高校を受けるかも決めていないから聞かれるのは当然なのかもしれない。
「お前だけなんだよなー志望高校記入用紙、出してないの。まぁ出さなくてもイイんだけど、他の先生がうっさいからさー。
…決まってないのか?」
「まぁ…はい。」
「ま、自分の人生だしなー。そんな簡単に決めらんないか…とりあえず、志望高校記入用紙の提出日は来週だからじっくり考えな」
ポンポンと軽く俺の肩を叩いて、職員室へと入って行った。
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