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「ああ。これで神とかいう偉そうな奴に会える」
「魔王様も物好きですね」
生首を見て従者が居ることを確認すると、魔王は再び儀礼剣に視線を戻し口元を緩ませる。
対して宝の山から這い出てくる従者は無表情のまま。どうでもよさそうだ。
というか無表情が彼女の常なのかもしれない。
「何を言う。偉そうな奴「むしゃむしゃ……」をおちょくることこそ我が史上の「バリッ……」喜び。至高の悦楽。何百年と「むしゃむしゃ……」ついてきて何「バリボリムシャバリッ……」を――おい、何をしている」
「むしゃむしゃ……。
う○い棒食ってます」
語り出した魔王が背後から聞こえる耳障りな音に苛立たしげな顔をして振り向く。
すると、従者はなぜかうま○棒をかじっていた。
「私が聞きたいのはなんでう○い棒を食ってるかだ」
「あそこにありました」
従者は山積みの宝を指差す。
なぜ宝物庫にう○い棒があるのか。
国宝級のう○い棒ということだろうか。
魔王は考える。
しかしすぐにどうでもよくなった。
「……ゴミは持って帰れよ」
「分かりました」
従者は手についた食べカスを払い落とすと、食べ終えたう○い棒の包装紙をポケットに入れた。
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