17人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「すみません。う○い棒を見たら、つい……」
能面のような無表情で謝られても誠意が感じられない。
「次やったらう○い棒作る工場を一つ残らず消滅させるからな」
魔王が冷たく言い放つと、従者は気落ちしたように俯いてしまう。
そんな従者を見て魔王は「はあ……」と深いため息をつく。
そういえば先程の謝罪、表情こそあれだが声色は普段より幾分か低かったような気がする。
詫びる気持ちはあったのかもしれない。
魔王は儀礼剣に目を移し、仏頂面で口を開く。
「まった「ハァハァ……」く、主が話し「そんな……う○い棒の工場を一つ残らず消滅だなんて……ハァハァ」てる最中にう○「ダメッ、そんなの……う○い棒大好きなのにそんなひどいこと……ハァッハァッハァッ」い棒かじる従者がどこ「この鬼畜っ。でも悔しい感じちゃうッッ」に――死にたいのか貴様」
「ハァッハァッ……まだ生きていたいです」
またも耳障りな音に話を遮られて怒り心頭な魔王。見てみると、従者は体力の限界まで全力疾走でもしたかのような息遣いをして、頬を上気させていた。
目と話す言葉だけは妙に落ち着いているのが不気味だ。
「でもそんな……う○い棒の工場を一つ残らず消滅させるだなんて……ハァッハァッ」
「わ、わかった。消滅させないから」
魔王は仰け反るように一歩後ずさる。
顔が青ざめていた。
最初のコメントを投稿しよう!