月下氷人

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 「蔵を片付けていたら、祖父さんの弓が出てきた。」  何故、百目鬼があんな時間に寺の外に出て来たのか、四月一日が聞いて見るとこんな答えが返ってきた。  「…さっぱり意味が、わならないんですけど。」  「…ユーコさんから電話をもらった。」  ひょっとして、俺の事、心配して向かえに来たとか…?  「札を無くして、泣いているかと思った。…のび太のように。」  「………っって!又そのネタかよ!」  なんなんだこいつは!感動しかけた俺が馬鹿みたいだ!   「ほら!お札受け取りやがれ!俺は帰る!」  お札を百目鬼に叩きつけると、四月一日が帰ろうとした。すると、百目鬼が四月一日の腕を掴む。  「なんだよ?」  「お前、今日泊まっていけ。」  「…なんでだよ。」  「明日の朝、三角稲荷と蜊の味噌汁が飲みたい。」  「お前は、ユーコさんかーっっ!!」  四月一日の絶叫がお寺中に響きわたった。
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