1章 入り口

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「どうして……」 そう言った瞬間、私の頬をつたう涙がこぼれた。 「おっ、おい!泣くなっ。すまなかった、言い過ぎたから泣くのをやめてくれ…。」 と言った。私はこの時から、この人は信頼できると思った。 そして彼の手をとった。 ―――――………………… ―――……………… ―…………… 無言で歩くこと数分。彼の宿に着いた。 「ただいま。今帰ったぞ。」 すると、小柄の少年が現れた。 「お帰りなさい、龍馬さん。遅かったですね。…あれ、この人は?」 「こいつはさっき拾ってきた。部屋につれていけ。」 拾ってきただと~!! ま、まぁ… 拾われた身だけども、ほかの言い方があるんじゃないのー。 「部屋は今はあの部屋しか空いてないんですけど… 龍馬さんどうしますか?」 あの部屋… どんな部屋なんだろう? 「もうあの部屋しかないのか、片付けてくるから、しばらく待っていろ。」 彼はそう言って、部屋に向かって行った。
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