1章 入り口

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4月に入って、私と流架は入学式に来ていた。もちろん流架は容姿がかわいいため、もう話題の人になっていた。 「流架ちゃんかわいいー。」 「野上さんって本当に綺麗だな。」 そういった周りの男子たちの声が聞こえる。だけど、どうやら流架は気付いていないようだった。いわゆる天然キャラだ。 クラス発表の紙が張り出してあるところに行き、紙を見た。 「私はー、3組だったよ。流架は?」 「うちも3組!やったよー。」 といい、私たちは教室に行こうとした。すると、 「野上さん、ちょっといいですか?」 と男子から声をかけられた。 流架は“ちょっと行ってくるね”と言い、その男についていった。 あまりこういうのは好きではないが、やっぱり少し気になるから2人の後をこっそりついていった。 「僕は、1年2組の河野といいます。一目見た瞬間から好きでした。付き合ってもらえませんか?」 と河野さんは言った。 私はてっきり上級生かと思っていたが、同じ学年だから少しびっくりした。 流架の方を向くと流架は、目つきが変わり、 「私、一目惚れって言う人嫌いなの。さようなら。」 と言って河野さんから離れた。
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