1章 入り口

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「これから授業始めるぞ。」 入ってきたのは黒木先生だった。 「今から歴史の抜き打ちテストするぞ。」 「「えーっ聞いてないよ。」」 とクラスのみんなが言った。テストなんて別にどうってことないだろと思いつつ、先生はプリントを配り始めた。 「じゃあ、テスト始め。」 あー、これそんなに大した問題じゃないな。よく見ると、中学生レベルだし。 えーっと、冠位十二階をしたのは…聖徳太子。 長州藩と薩摩藩の仲立ちをしたのは… あれ? 誰だっけ.... あ――………… なんだ、坂本龍馬か。 なんで忘れてたんだろ、こんな人の事を。 「じゃあ、テスト終わり。集めてこいよ。集めたら授業終わりな。」 はぁ、とため息をついた。 「遥ちゃん、どうだった?やっぱり全部解けた?」 そう流架に聞かれたので、 「うん、一応全部解けたよ。」 と言った。 「ほんと、抜き打ちテストなんて本当にあるんだねー遥ちゃん。マンガだけの世界かと思ったよ。」 「私もそれ思ったー。」 と笑いながら話した。
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