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 ここからが僕の話しなのだけれども、別にこれといって楽しい話しではないだろう。  はてさて、どんな始め方をすればウケるのかは解らないが、それっぽく始めようと思う。 「この世界は壊れている」  そう、どこかの偉い人は言いました。  さて、本当に世界というものは壊れてしまっているのか……と僕は思うのが精一杯で、この退屈な日々を打破するのに、一石を投じようともしない僕には言う権利は無いのかもしれないが、だからこそ言わせてもらいたい。 「壊れているのは人間だけだ」  空は蒼く、海は碧く、人だけが青臭い。  馴れを成長と呼ぶのであれば、それはもう退化と変わり無いと思う。  などと御託を並べていても何も変わらないわけで、それでも全てが順調に壊れていっている。  変わらなく壊れていく。  それが僕の見た世界だった。
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