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 現宮西……つまりは僕の父親なのだけれど、彼もまた壊れた人間と呼ばれていた。  その、壊れた人間の子供が僕たち、日陰、月夜、日向なのである。  そんな僕たちにとって、それは苦痛でしかなかった。  母を殺し、地位を奪われ、自由すら与えられなかった宮西。そして、その子供である僕たちも当たり前のように奪われていった。  壊れた人間の日常を当たり前だと思いながら、普通に普通じゃない生活を今まで"三人と一匹"で送ってきた。  これから話すのは、そんな僕たちの異常な日常だ。  変わる事なく壊れていっている、そんな日常の話し。  変わることのない、僕たちの異常な日常の話しである。
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