《Elegy》

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思いが溢れ涙になる 愛しさが胸を裂いて 壊れそうな程に苦しい どんな言葉を紡いでも どれだけ叫んでも この痛みは増すばかり 心から結ばれたいと願っても この思いが届くことはないのだ… それでも目を閉じれば姿が見える 優しく微笑む貴方の姿が 耳をすませば聞こえてくる 私を呼ぶ貴方の声が 私の中で貴方は確かに存在しているのだ 仮想だと分かっていた 所詮は幻想にしか過ぎないものだと それなのにいつしか私は貴方に惹かれていた… その腕に その胸に この身を預け 永遠に眠っていたいと何度も願った けれどもそれは叶わぬ夢 泡沫の露に紛れて消え行く それならば この思いも この涙も いつかは消えてしまうのだろうか 私の中の貴方が…消えてしまうのだろうか 繋がれた手の温もりも 漏れた吐息も 呟かれた言葉も 全て...全て覚えているのに... 現実へ戻れなくとも構わない 私はもう貴方を忘れることなど出来ないから もし現実へと戻されるのなら いっそのこと一思いに… 貴方への思いを抱きながら永久に眠っていたい... fin.
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