序章

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門をくぐり、インターホンを押す。 馴れたものだ。と逡巡してみるけれど、毎月来ているのだから当たり前。と結論付いた。 家内からドタドタと忙しない足音が聞こえてくる。 「やぁ。いらっしゃい。慎君。」 ガチャリ、と玄関の開く音と共に現れたおじさん。 寝癖の付いた髪、ジャージ姿と情けない格好だった。 「お邪魔します。もしかしてさっき起きました?」 冗談のつもりで言ったのだが…… 「恥ずかしいかな…その通りなんだ。すまないね。」 的中だったようだ。
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