最初の手紙
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「ハル、」 お前に手紙。 そう言って、志筑はキャンバスの横に立った。 差し出す右手には、淡い桃色の封筒。 「僕に? だれから?」 僕はイーゼルに筆を乗せて、受け取った封筒を裏に返した。 『賀藤はるか』 名前はあるが、住所はない。 表を見直したら、宛名も名前だけで住所は書かれていなかった。
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