最初の手紙

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「…何だって?」 後ろから志筑の声がする。 顔だけ向けて、僕は返事の代わりに肩をすくめて見せた。 「ねぇ志筑、この、はるかさんって誰? お前の身内?」 確か、志筑の苗字も賀藤だったはずだ。 「そうだな。 何て書いてあったんだよ」 「いや、内容は…質問、かなぁ?」 便箋を差し出すと、志筑が歩いてきて受け取った。 「…何だこれ」 「わからないよ」 いつも表情があまり変わらない志筑が、眉をしかめて訝しげに反応したので、僕は少し笑った。
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