頬を撫でる風(陸上部の恋)

3/7
前へ
/7ページ
次へ
†後輩Side† 「は、はじめまして 後輩です 陸上競技は短距離を中学の時もやってました 高校でも一生懸命頑張りたいと思ってるので よろしくお願いします」 私は友達の誘いで中学時代にやっていた陸上競技をまた始めた 正直な話 私は高校は文化系の部活に入りたかった 青春時代を全てスポーツについやすのは気が引けたからだ 友達には悪いが数週間部活を続けたら辞めようと思っていた あの先輩が校内一の記録を作るまでは 先「おい2年 せっかく後輩が出来たんだからいいとこみせろよ?」 「はーい」 先「おい、お前はいつまでもそのやる気のない態度なんだ?」 あの先輩はいつも やる気がない 「さあ? ずっとじゃなくないですかね~」 いつになったら本気を出してくれるんだろうか? 先「はぁ まぁいい、たまにはちゃんと走れよ?」 「はーい」 今日もろくに走らないだろうなと思い見ていたのだけど 驚いた 本当に まさか先輩があんなに走るのがはやいとは これが友達の言っていたギャップ萌えと言うものなのだろうか 胸がドキドキしていた 気がついたら行動していた 先輩に近寄り こんな事を口走っていた 「あの先輩」 不思議そうに先輩が返す 「どうしたの後輩ちゃん」どうも胸が苦しくなる やっぱり私はこの人のことが・・・ 「あの、もし、もしもですけれど先輩が卒業するまでに先輩の記録抜いたら私、伝えたい事があるんです 聞いてくれますか」 先輩は少し考えて 「いいよ 俺の記録抜けたらね」 そう聞いた 私はきっと いやすごく頬がゆるんでいたと思う 「絶対、ぜ~ったい ですよ 嘘ついたら 針千本飲ましますからね~」 我ながら物騒なことを言ったと思いながら恥ずかしさと嬉しさを隠すために グランド走った 先輩が見えなくなるまで
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加