頬を撫でる風(陸上部の恋)

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次の日から部活が終わってからも私は走った 次の日もそのまた次の日も私は一心不乱に走り続けた 先輩に勝ちたいその気持ちが私の動力源だった 「最近部活終わってからも走ってるね」 不意に後ろから話かけられて少しびっくりした 「あ、先輩 見てたんですか」 見られていると知られ やはり少し恥ずかしい 先輩が右手に持ったタオルを渡して来た 「ほどほどにしとかないと風邪ひいちゃうよ?」 そんなことをいわれたが まだまだこんなもんじゃ 駄目だ 到底先輩にはかなわない 「まだまだ走ります」 どうしてそんなに? と先輩が聞きたそうにしていたので 「先輩に勝ちたいですから 伝えたい事もありますし」 と小悪魔っぽく笑った 私は先輩を背にグランドを走っていると不意に背後から 「頑張れよ」 と先輩の声が聞こえた気がした 私は先輩に応援された気がしていつもより長い距離を走れた
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