俺とジンと

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うん…。 最初はジンの事すっげえ怖い奴だと思ってたんだな。 確か一時期、毎回会うから寝るのが怖かったもんな。 懐かしいな…。 まぁ今じゃジンと俺は親友だけどな。 「おい、ぼーっとしてないでさっさと行こうぜ。」 昔の事を思い出していた俺に、ジンが少し離れた場所から急かすように声をかけた。 「へいよ。」 これ以上待たせると確実にジンがめんどくさくなるから駆け足で傍まで行く。 「今日は何処いくん?」 「特には決めてねぇよ。絶壁の谷でいいんじゃね?」 少し悩むが今の俺達に合う場所は、そこぐらいしかないだろう。 「んじゃそれで。歩いて行く?それとも転移するほうがいい?」 「転移で。別にいまさら雑魚倒すのもあほらしいしな。」 そう言った瞬間、いきなり木が殆どの風景が変わり、草木があまり生えず岩がゴツゴツと転がる谷に到着した。 ジンがいきなり転移の術を発動したらしく、驚いた反動により体がよろける。 ったく、また何も言わずに転移しやがって。 「いっつもいっつもいきなりは止めろって言ってんだろ?転移するならそう言えよ。」 「あぁ悪かった。転移した。これでいいだろ?」 「後事報告?!よくないし!もういいや。 …ちょうどいい奴らが、相手して欲しそうにしてるから、さっさと遊んでやろうぜ。」 あたりには俺達に向けられたゾクゾクするような殺気で満ち溢れる。 その様子にジンは嬉しくて堪らないといった様子で、口の端を悪役のように上げている。 たぶん、俺も同じような顔になっているだろう。
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