俺とジンと

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巨大な岩の影から9匹の狼のような獣が現れた。 2m近くはあるその巨体は銀色に輝いており、剥き出した犬歯から涎がダラダラと流れていく。 そのうちの一匹と目が合い、こちらに歯を剥き出しながら物凄い速さで向かってくる。 「ガァアァァ!!!」 切り裂かれたら一撃だろう爪が俺を襲う。 ただの高校生の俺には反応できる筈もない。 ズシャ!!! ………まぁ”現実の俺”ならの話だけどね? 攻撃を喰らわないぎりぎりの位置まで避け、自分がいたところに刀を構えればとっさに避ける事の出来ない狼が真っ二つになった。 直ぐさま他の奴が俺へと攻撃を繰り出す。 ちらっとそちらを見た瞬間、そいつは全身炎に包まれ一瞬で灰と化した。 すぐにそれに興味をなくし、一番近くにいた奴へと今度はこちらから切り掛かる。 鮮やかな紅が吹雪のように舞う。 その吹雪が収まらないうちに、続けざまにもう2匹の命を絶つ。 先ほどから4回程巨大な火が上がっている。 という事は残り一匹! 最後の一匹を頂こうと振り返れば、すでに炎の火柱の中に消えていた。 ちっ…負けた。 「今回は俺様の勝ちだな。」 ジンがニタリとこっちを見て笑う。
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