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…ムカつく奴だな。
うざいのであえて無視をし、視線をそらす。
刀を2、3度振り、血を綺麗に落とすと鞘の中に納める。
この刀は長さを自由自在に変える事が可能な優れ物だ。
俺が想像で出したものだから銘は無い。
長さは最長200mまで伸ばす事が可能で、重さはどれだけ伸ばしても1kgと軽い。
でも実際200mとか使ってみると、あんまり使い勝手が良くない事が判明。
そんなデカイ敵とかいないし、振り回すのに時間がかかり過ぎる。
無駄に切れ味がよい為、以前使ったときは危うく防御壁を貫通し、ジンを切ってしまいそうになった。
だから普段は鞘に合う小刀ぐらいの大きさにして持ち歩き、戦う時は長くても10mぐらいまでしか使ってない。
「おいこら無視ですか?」
「煩いな。この間は俺が勝ったしそれぐらいで喚くなよ。」
「ふん。確かに?でも総計すれば俺が52勝27敗で勝ってるぜ。」
こいつは普段あんまりやる気がないのに、勝負事になると、とてつもなくうざい。
…死ねばいいのに。
俺とジンはこの夢の中で今、先ほどのような獣と闘う事にはまっている。
はっきり言って最初はジンに全く勝てず連敗をしていた。
「今日はまだ時間あるのか?ってかあるよな。明日土曜だしな。」
「また俺の中から俺の生活見てたのかよ。」
「だって暇だしよ。」
何故かこいつは俺が起きている時、俺の目を共有して物を見ることができるらしい。
この狩をし始めたのも確か、大治から借りたロールプレイングゲームを見てからだった。
夢に来て、いきなり狩しようぜ!とか言われた時には、大丈夫かこいつ?って思ったが、今では結構楽しんでいる。
ってか
「ジンって本当なんなの?絶対俺の夢の住人じゃねぇよな?」
これは会った時からずっと思ってた事だ。
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