俺とジンと

7/21
前へ
/65ページ
次へ
一瞬で視界が入れ代わる。 目の前にギリシャのパルテノン神殿みたいな建物が建っていた。 まぁこちらのほうがボロイ感じだけどな。 360度回って辺りを見渡せば、そんな建築物があちらこちらに崩れ落ちており、足元は草木はなく、砂になった建物が白い砂漠と化していた。 「ここ?」 「そうだ。適当に転移しまくってたらあったんだよ。」 「へぇ…、んじゃもう見回った?」 「全然。さてどっちに進むかねぇ…。」 そう言ってジンは辺りを見回す。 特に目立って違う場所がある訳でもないので、どっちに行こうか悩む。 ふと、地面に目をやれば俺達の上に影が出来ていることに気がついた。 何かと思い、上を見る。 晴れ渡った青空には雲一つもなく、影が出来るものは何一つなかった。 「あ?どうした?」 俺が動いた気配がわかったのだろう。 さっきまで俺の反対側を見ていたジンが、こちらに振り向いた。 「何か…いる?」 だが生き物の息づく気配はない。 でも何か変だ。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加