俺とジンと

9/21
前へ
/65ページ
次へ
「何事?………っ!やべぇ…。」 ジンが俺の後ろからその機械を覗いてきた。 そして慌てた声が聞こえた。 意味がわからず、振り向けば顔色が良くない。 「やばいって、何が?」 これはそんなに危ないものなのだろうか? 確かに見えない目標物を相手にするのは大変そうだ。 でもこれはこれで面白そうなのに…。 「話は後にしてくれ! とにかく一旦ここから転移するからな!」 なにやら慌ててるジンに戸惑いながらも承諾する。 (こいつ何こんなに慌ててるんだ? …ってか転移するって言ったわりには遅いな…。) 疑問に思っていれば、苛々とした声でジンが声をあげる。 「意味わかんね!!転移できねぇ!!!」 「はぁ?そんなことあるの?さっき魔法使い過ぎたんじゃね? しょうがないなぁ、俺がやるわ。」 転移する魔法は、口で呪文を言うか、頭で転移の魔法陣を思い浮かべ、転移したい場所を思い浮かべるかで発動する。 魔法陣を思い浮かべるほうは楽だが、移動したい場所を正確に思い浮かべなくては発動しないので、自分の知っている場所にしかいけない、と言うデメリットがある。 口で唱えるほうは時間が掛かってしまうが、名前、もしくは座標点、キーワードなどその場所に関する何かを言えば、自分が知らない場所であっても転移が可能。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加