出会い

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本当水だけしかない。でも何もないよりはましだよな? 「水ってお前…まぁありがとうな。」 外人さんは顔をしかめながら、上半身だけ起き上がり自分で治療し始めた。 俺ですか? 傷口見るのも無理な俺に治療なんてできないっていうね。 イケメンさんが自分のビラビラした服を脱ぎ、破いて包帯にしてるのを見て、漫画みてぇと思いながらぼーっと見ている。 水の中に布(服だったもの)を浸し、身体に着いた血を落としていく。 それが終わると、テキパキと患部に残りの布を巻いている。 しばらくすると治療が終わったのか、またその場に横になった。 そして顔だけこっちに向けた。 「なぁ、なんか食い物くれねぇ?」 「え、食い物?持ってないし、さっきいろいろ探したけどなかった。」 あれ? 憐れむ顔でこっちを見てる? なんでだ!? ハァ、とわざとらしくため息をつかれた。 「ここお前の夢の中だろう?お前が想像して出ろと思えばある程度のものなら出てくるぞ。」 「マジでか!?」
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