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隧道に冷たい風が透き通っているのが肌で感じ取れると、僕は大ちゃんに疑惑をぶつけてみる。
「ねえ……旧犬鳴トンネルって、コンクリートレンガで通行止めにしてたんじゃなかった?」
『そうだよな。何で……コンクリートレンガがないんだ?』
普段なら旧犬鳴トンネルは、コンクリートレンガで通行不可能だが、その通行を邪魔する物体は無くなっていたのだ。
「大ちゃん、これ以上は本当に行かない方がいいよ!!」
『今更何言ってんだよ!?そりゃ不思議な事ばっか起こってるけどさ、この事件のきっかけがわかるかも知れないんだ!!』
対蹠的な二者は、激しい口論がトンネルの奥に響き渡っていた。
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