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ここはあるギルドの一室の訓練場で、ある一人の青年が壁に右手を向けていた。
綺麗な黒髪の青年は真剣な顔で右手に意識を向ける
「火よ放て フレアショット」
青年が魔法を使い、手の平から野球ボールほどの火の玉が放たれた。
だがとても遅く、放たれてから1メートルほどで消えてしまった。
「ハハッ、今だに初級魔法も満足に使えないなんて信じられないね。訓練しても無駄なんじゃない」
遠くで見ていた金髪の青年が笑いながら言っていた。
その声に周りで訓練していた人々は笑いだす
「初級魔法もまともに使えないなんてありえないよね~」
「基本中の基本なのにねぇ」
「ギルドにきても何もすることないんじゃね?」
「つーか、邪魔なだけだな」
「落ちこぼれって噂は本当だったんだ」
「いやねぇ、落ちこぼれがうつったらどうするの」
「お前なんか帰れ!邪魔なんだよ」
周りにいる人々は次々に青年に向かって悪口を飛ばす。
青年は黙って手を力いっぱい握りしめて耐えていた。
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