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――2月1日
コン、コン、コン…
「入れ」
扉を開くと、机に肘を立てているスーツ姿の男が居た。
「木岳長官、私に何か用事があるとお聞きしましたが。」
「そうだ、遠藤棗。お前は今日から如月町へ行ってもらう。」
木岳と言う男は淡々と話し、机の中から一枚の写真を棗に見せる。
「長官、一体この写真は………。」
棗は不思議そうに写真を見つめると、木岳は薄気味悪い笑みを浮かべ
「如月町は魔王と何かしら関係があると解った。そしてお前は4月から桜花学園に潜入し、魔王を捕まえろ。」
魔王―――この軍に関わる何かの情報を盗んだ極悪な人物。
棗は魔王の名前を聞いたとたん、目の色が青くなった。
「わかりました。……ですが、今からでも大丈夫なのでは?」
「そう慌てるな少尉。これより2ヶ月の間は如月町について調べる。地の利を活かさないと、常に後手に回る可能性が高いからな。」
「し、失礼しました。」
「お前はまだ若い。これからもっと経験を積んでおくべきだ。」
棗は気を引き締め、
「はい、了解しました。これより如月町を調査します。」
棗は木岳に向かって敬礼をした。
「あと少尉、これは忠告だ。如月町は魔法で有名な町だ。鉛弾の入ってる銃とか持っていかない方が良いぞ。」
「了解。」
棗は短く返事をすると部屋を出て、自分の部屋に戻るのであった。
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