谷口 正彦

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    10分程すると 店員が厨房から戻ってきた。     店員『お待たせしました、コーヒーゼリーと茶碗蒸しでーす。』     店員はそう言って コーヒーゼリーと茶碗蒸しをカウンターの上に置いた。     コーヒーゼリーは明らかに市販のものだった。 ビニールの蓋に 森永 と印刷されている。   ..まぁ、それはラーメン屋だからしょうがないか... つっこむところじゃないな。     次に茶碗蒸しをみる。     茶碗蒸しも明らかに市販のものだった。 ビニールの蓋に 森永 と印刷されている。       ...ん?あれ? おかしいな、森永の茶碗蒸しってなんだ? あれ? 熱くないぞ、この茶碗蒸し。 あれ? これ...       谷口『どっちとも コーヒーゼリーじゃねぇか!手抜きしすぎだろ!』     店員『あー、申し訳ございません!ただいま おはぎ をお持ちいたしますので!』     谷口『頼んでない!おはぎ 頼んでない!茶碗蒸し!俺が頼んだの茶碗蒸し!』     店員『お客様ったら、ホントに茶碗蒸し好きなんですねぇ♪』   そう言ってニヤつく店員。     谷口『腹立つなぁ!もういいから 早く茶碗蒸し持ってこいよ!』     多分 1日にこんなに「茶碗蒸し」と叫んだのは初めてだ。 おそらく今後もないだろう。     店員『あいにくですがお客様、ただいま茶碗蒸しは切れていまして...』     ええええええええ     谷口『先に言えよぉぉ!言うべきタイミングが沢山あっただろ!』     店員『申し訳ございません..接客するのが久しぶりなので..』     谷口『うわっ 切ない!けど許さない!』     怒鳴りながらも、お腹がすいているのでコーヒーゼリーを食べる。   さすが森永。 とてもおいしい。     谷口『おいしいなぁ!』     あっ、間違えた。 関係ないところで大声を出してしまった。 すごく恥ずかしい。     店員『それはよかったです♪』       コーヒーゼリーを完食した俺は、 店員にコーヒーゼリー代の80円を渡し 店を出た。     
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