宮沢 亮

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学校を出て、約5分。 公園に到着した。 この公園は、そこまで広くはないが 極端に狭いというわけではない。 しかし、夕方5時くらいまでは小学生が遊んでいるので、混雑していて すごく狭く感じる。 現在 時刻は18時40分。 小学生は一人もいなく、 いつもより倍、広く見える。 さぁ、俺はここでどうしたらいいんだ。 俺はここに来るまでの5分間で、自分なりに「ガムの話」を作り上げた。 俺の考えた「ガムの話」はこうだ。 まず、 ①駅前の公園に住み着いている浮浪者にガムを与える。 ②その浮浪者は実は 浮浪者ではなく、浮浪者風の選ばれし者なのである。 ③浮浪者風の選ばれし者にガムを与えたことにより、選ばれし者からすごく気に入られる。 ④選ばれし者が なんか 神様とか教祖様とか、なんかしらの偉い人に俺を紹介してくれる。 ⑤いよいよクライマックスだ。ここで選ばれし者は俺を偉い... トントン 宮沢『はひぃぃうぅっ!』 びっくりしたぁぁぁぁあ! 肩を軽く叩かれただけだが、 自分の世界に入り込んでしまっていたので、急に現実に引き戻されて心臓がおかしくなりそうになった。 『宮沢 亮 様ですね?』 ...名前を呼ばれた? 知り合い? いや、俺の知り合いに 様 をつけるような人はいない。 振り返ってみると、 黒いスーツを着た、短髪で清潔感のある男が 俺のことを微笑みながら見ている。
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