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包み紙には こう書かれていた。
『アナタは、恐怖に耐えられない男 日本代表に選ばれました。 しかし、ガムを与えた者には恐怖を抱かないでください。ガムを与えた者を、恐怖を理由に殺害し、アナタは殺害してしまったという恐怖から、自分で自分の命を絶ってしまうからです。ガムを与えた者は、アナタの味方です。』
言葉が出なかった。
胸が苦しい。
呼吸が出来ないくらい。
切なくて悲しくて、
でもやっぱり怖くて。
俺はどうしたらいいんだ。
視界に川口が映った。
泣いている。
当たり前だ。
川口『...わかんないよ..もう...』
始めてみる表情だ。
多分 川口はもう、俺のことを宮沢 亮として見ていないだろう。
ただの恐ろしい殺人犯だ。
宮沢『ごめん川口...本当にごめん...』
俺は 宮沢 亮の手首を 俺の口で噛み切った。
薄れてく意識の中で、思った。
『あの時、ガムを噛んでいればよかった。』
宮沢 亮は、
包み紙の予告通り
自ら命を絶ってしまったのであった。
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