4人が本棚に入れています
本棚に追加
サークル室の扉を開けると、賑やかな笑い声が、一気に私の耳に流れ込んできた。
「あっ、さやちゃんだよね?」
部屋の奥から、白くて細い手が伸びて、こちらに手招きするのが見える。
サークルに入るきっかけとなった、憧れの先輩、柳下先輩だ。
柳下先輩は、扉の前に突っ立ったままの私のところへ駆け寄り、私の顔を見て微笑んだ。
そして、部屋にいるみんなに向かって、
「みんな聞いてー!新入生のさやちゃんだよ。
私が勧誘した子だから、みんな優しくするように!」
と張りのある声で、話掛けた。
「それは大切にしなきゃな」
「了解ー!さやちゃんこっちおいでー」
部屋のあちこちから、男の人の声、女の人の声が飛び交う。
私は柳下先輩に連れられて、一番奥にあるテーブルの前につくことになった。
最初のコメントを投稿しよう!