幼き記憶

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母親は、泣きながらもここにとどまろうとする子供二人を無理矢理逃げさせた後、オーガに視線を戻した。 「我を守りし火の精霊、今こそ顕現して敵を滅せよ」 そう唱えると、母親が指した人差し指と中指が鈍く光りだした。 これらの指で目の前の空間に五芒星を描くと、その軌跡が同じく鈍く光った。 次に、その五芒星の周りを円で囲むと、 ――シャキーン と音を立てながら黄金の金貨に姿を変えた。 「出でよサラマンダー。そして全てを食らい尽くせ!!」
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