幼き記憶

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すると、金貨が蓋のようにパカっと開き、そこから燃えさかる蛇のような龍が勢いよく飛び出し、オーガのうちの一体に食らいついた。 うめきをあげるオーガ。それに対し、仲間を失った怒りからか他のオーガ達は更に追撃する手が激しくなった。 その頃、子供達は、必死で逃げていた。 母親に逃げるように促されたときは、母親から離れることを嫌がった。 しかし、いったん逃げ始めると、死にたくないという感情が支配したのである。 必死で逃げるあまり、何度も足がもつれて、その顔を土で汚した。 それでも後ろを振り向かずに必死で逃げた。 しかし、その足も止まってしまった。
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