1章 僕と諒

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一瞬 耳を疑った。 それからすぐに先生が腹立たしくなった。 「諒は落ちたんです!」 僕は声を上げた。 「相田君……」 先生は怪訝そうに僕を見た。 もういい! 僕が諒を見付ける――。 直は先生を睨んで、花壇のほうへ駆け出した。 「諒おぉー!」 諒の姿を捜しながらも、その姿を見ることに僕は怖くなった。 頭には駆け巡っている… 親友の最悪な姿… 花壇に着いた。 干からびた雑草しかない植え込み。 諒はいない。 落ちるとき、風で位置がズレたのか…? 無事であっても、はやく救急車を呼ばないとならない。 僕は校庭中を捜しまわった。 それなのに…… 諒は 本当にどこにもいなかった――。
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