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――ドスッ
「うっ」
「ハッ!気い抜いてんじゃねーよ」
腹パンチだ。
「昨日から津笠が行方不明だって…!今はおまえの味方なんか誰ひとりいねーんだぜぇ」
――ドカッ
「……っ」
「まあこの辺にしとこーぜ。ひとりぼっちのかわいそーな直チャン」
「直チャン元気出せよぅ!」
上級生のグループはケタケタ笑いながら、去り際に直の足を蹴り付けて行った。
この野郎…
この野郎…!
上級生グループの背中を見詰めて、僕は無償に 怒りが込み上げてきた。
おまえらがいなかったら、諒はあんなことにならずに済んだんだ。
リーダー格の坂井――あいつは皮肉にも中学から同じだった。 警察沙汰になるほど卑劣な悪さばっかりする問題児。外でどんな事をやってるかなんて僕にとってはどうてもいい。
とにかく 僕と諒を遊びものにする――
これだけは 大きな問題だった。
そして僕らが出会ったのも、あいつらに絡まれた時だった。
――あいつらの憎い背中が廊下の向こうへ見えなくなってく。
「……ちくしょう…」
見えなくなってく背中に、あの日の光景が、脳裏に蘇る
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