1章 僕と諒

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すっげえ友達が出来た! ひとけのない廊下を駆け出しながら、僕は嬉しくて はにかんだ。 あれから一週間 坂井は姿を見ることもなく、なんと一年狩りの被害もごく減ったのだ。 平和だからこそ、僕は不安になった。 あれから、諒は大丈夫なのだろうか。 「先生。津笠 諒ってどこのクラスか分かりますか?」 放課後になって、僕は担任に諒の教室をたずねた。あいつとは何度か会ったが、いつも廊下のすれ違いだったし、クラスを聞くのを忘れていた。 「津笠くん……あの目が大きい子かな?たしかA組じゃないかな」 「先生ありがとう」 僕はA組の教室に向かった。 嫌な予感がした。 そしてその予感は当たった。
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