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別々のクラスの僕らは 教室で食べる訳に行かず、その場から近くの調理室に忍び込んだ。
諒は左足を引きずりあるいていて、座るときには椅子を並べて 左足を置いた。
「あのさ 怪我で休んだって…」
僕は聞いた。諒は弁当の中身を物色している。
「ん たいしたことねぇよ。この卵焼きもらっていい?」
諒は箸を抜き出した。
「いいけど…」
卵焼きに食いついた諒は、至福な表情を浮かべた。
「んまい!」
なんだか、心配する僕がまるでばかみたいだった。
「おまえ、坂井にやられたんだろ?」
僕はきっぱり聞いた。
諒は黙々と弁当を食っている。
「人の弁当なんだから 少しは遠慮して食えよ…」
「あとでなんかおごるよ」
諒はうわのそらで言った。
「おごるって…金無いんだろ?」
「ああ…坂井に盗られた」
諒はご飯の塊を押し込んで言った。
…やっぱり、また坂井にボコられたのか。
「この前のおかげで、坂井に毎日喰らってる。ガキみたいな悪戯とかさ。クラスじゃおれが坂井に目ぇ付けられてんのバレてっから、誰も近寄んねー」
諒はむしゃむしゃ弁当食いながら、辛そうな雰囲気一切出さなかった。
それは強がってるだけだって、僕は分かった。
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