4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううぅう…」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら僕は泣いた。その肩を、諒は笑いながら揺さ振った。
「泣くなよ 弱虫!」
「う うるさい…っ」
ズズッと鼻を鳴らしながら 僕は袖で涙を拭った。
「あーあ… おまえにもティッシュが必要ね」
鼻水まみれの僕より
鼻血まみれの諒のほうが余裕があるようだった。
最悪なのは諒の方なのに、僕は…。
「とりあえずトイレにティッシュ代わりがある… トイレいこうぜ 直」
「…え?」
「ほら 早く」
諒は僕の腕を引っ張った。
すぐ近くにあったトイレには、だれもいなかった。もしいたら 僕らの様子をみてどう思うだろうか。
僕らは洗面台で顔を洗った。
洗いながら僕はぼんやり想像していた。
――鼻血垂らして…喧嘩か?いや、もう一人のほうは鼻水垂らしてるぞ。へんなの…。
僕はがむしゃらに トイレットペーパーで鼻をかんだ。
最初のコメントを投稿しよう!