4人が本棚に入れています
本棚に追加
その“声”は
二日前から、あのおまじないをした時から 頭のなかで語りかけてきた。
――朝ごはんは目玉焼きなの?
おれ自身によくにている 声。
――授業は真面目に受けるんだね。
そんな他愛ないことばっかり聞いてくる。
だけどたしかにこの声は、おれ導いた。
――おまえ 今日はずっとひとりぼっちだったね。
だから なんだ。
――だから 落ちようと思ったの?
理由がなんだって
アンタに関係ないだろうが。
――そうかな。おれがおまえだったら 関係あるはなしなんじゃないかな。だっておれはおまえの…
もうひとりのおれ…?
――現実に 同じ人間がもうひとり存在するなんて有り得ないだろう?
――だけど 現実と掛け離れたところには もしかしたら存在するのかもね。
なにいってんだよ。
――だいじょうぶ。いずれおまえは おれに会いにくる。
訳分からないこと 言うなよ。
最初のコメントを投稿しよう!