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夢・・??
夢なのか・・??
優しく悲しい夢。
これはどこだろう・・・暗闇があたりを支配して静寂という言葉が似合うような静けさだ。
「修吾は寝たのかな?」
若い男の声が聞こえる。どこか優しく力強い声はどこか懐かしく響く。
「ええ。今ミルクを飲んでゆっくり寝てる。」
今度は若い女の声。ゆったりとして落ち着く穏やかな声だ。
「・・なぁ君は僕についてきてよかったのかい?」
男は少しだけ困惑を交えた声を発する。
「君は僕の契約者ではあるけどこんな深くまでついてこなくてもよかった・・・」
少しだけ悔いがのこるような感情が見てとれる。
「それは言わない約束よ。ダンテ・・私は貴方だから愛してこの子が生まれた。私は幸せ。例え貴方が別世界の人だとしてもね・・・」
女の慈愛に満ちた優しい声が響く。
「カナル・・。無粋な問答だったね・・」
男は穏やかに返す。
「今日僕達は死ににいく。」
「ええ」
女も穏やかに言い返す。
「まだ彼らに勝つには力が足りない。後の事はケイスと・・弟のオリジンに任せてある」
男の決意に満ちた声は尚も続く。
「次代に希望を繋げるんだ」
「ええ・・でも惜しむのはこの子の成長を見れない事・・」
「後は任せた皆が育ててくれる。オリジンは半殺しにして縛り付けておいたがね」
「やっぱり納得しないわね。あの子は」
「あいつか復活する頃には終わってるさ。行こうか」
「修吾。どうか健やかに」
世界は暗転しまた意識がとおのく。まさかこの二人は・・・?
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