シャドウ

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黒い空が広がる世界。 歪な塔が立つ無機質な場所。そこに一人の青年が立っていた。 燃えるような赤い髪。感情のない無機質な赤い瞳。黒い喪服を纏い黒い手袋。黒いブーツ。短く整えられた髪。左耳には黒曜石のピアス。美しく整えられた眉と細目。片目には斜めに切り裂かれた刀傷。美しく無機質な彫像のように見える。 「失態だな・・シルビア」 息を荒らくしながらも現れた黒いドレスの女に抑揚もない声で声をかける。 「・・虚無のマテリウス・・貴方はお姫様と一緒にいるものだと思ってたわ」 マテリウスと呼ばれた男はその瞳に少しだけなんらかの感情を宿し静かに答える。 「今泣き止んで寝たところだ・・オシリスにたのんである・・」 マテリウスはコツコツとブーツの音を鳴らすと。 「・・束縛のmaterial・・[絶望の棺]」 突然現れた黒い棺にシルビアは拘束される!! 「君には罰を与えなければね・・もっとも君にとっては死になるが・・」 ただ冷静に静かに彼は告げる。 「ど・・どういうことよ!!」 「まだ出現すべき時ではない時に現れたと同時に・・[我らの王の力]を無断に使用した・・高潔であり大いなる影の美しき力・・それほどまでに殺したかったか・・?[グリモアハート]・・あの男の後継者・・あの男の息子を・・」 赤い光がマテリウスの右手に宿る。 「・・序列六位・・静寂のシルビア・・君は消滅するが言い残すことは??」 「・・ふっ嫉妬に駆られて規則を破ったんだしょうがないねぇ・・。あの坊や。父親そっくりだよ・・気をつけな・・あたしの契約者は小物だ・・いいように利用しな・・未覚醒とはいえあんな坊やを殺せないなんてあたしも衰えたね」 「・・忠告痛みいる。根元のmaterial[紅蓮花]」 そう呟くと同時に赤い奔流が棺を破壊する!! 「・・ダンテ・・君は・・何を告げようとして・・死を選んだ・・。かつての友よ・・」 -----マテリウス---君ならば僕のした意味もわかるだろう---。 マテリウスの脳裏にかつての友の台詞がうかぶ。
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