常識世界の崩壊

6/10
前へ
/19ページ
次へ
「・・うそ!!この気配!!まずったわね・・」 由美は急に周りを警戒しだす!! 「歪みの王の気配・・まだ出てくるまで時間あるはずよ??」 マキュアも焦りながら周りをみる!! 「・・あぶねぇ!!」 修吾が叫ぶと同時にマキュアと由美が弾き飛ばされる!!! 「あ・・???」 それと同時にザクッと鋭利な刃物が刺さるような音が修吾から発せられる!! 一面に広がる赤・・・・。 「・・ま・・じ・・かよ」 ぶはっと修吾は吐血する!! 「あら・・残念貴女達を狙ったのに」 凛とした声に修吾は絶え絶えの息で目の前の自分を刺した相手を見る。 目の前に居たのは黒いフリルドレスを着た妖艶な女。柔らかなほほ笑みと黒いルージュが月明かりに映える。どこか無機質な美しさを感じさせる。 「・・静寂のシルビア・・・あんたが出てくるなんて!!」 由美がそういいながら何かを呟きシルビアと呼んだ女から修吾を奪い返す!! 「あら・・いつぞやのお嬢さん・・あたしがつけた傷はすっかり癒えたみたいね」 シルビアはニコニコほほ笑みながら舐めるように由美を見る。 「貴女の悔しそうな泣き声ぞくぞくしたわぁ・・」 「うるさいわねっ!!水のMATERIAL!![命水]!!」 由美が叫ぶよう呪文を唱えると修吾の傷口に水が溢れる!! 「う・・」 「そんな初級の呪文じゃその坊やの命は救えないわよ??」 「うるさいわねっ!!救えないかどうかなんて知らないわよ!!」 由美が修吾に唱え続けながら叫ぶ!!マキュアは由美と修吾を背に構える。 「・・・貴女達が出るのはまだ先でしょ??[赤い月]はまだ出ていないわ・・」 「あら知らなかったの?」 シルビアはくすくす笑いほほえむ。 「私たちと契約できる悪意ある者達が見つかったのよ・・[世界]を壊せるだけの[悪意]を持ったものがね」 シルビアはくすくす笑う。 「今に影が光を覆う日が来るわ・・貴女達は死ぬけどね。ごめんなさいね。少しでも驚異となる可能性がある子達は生かしておけないの・・大丈夫・・今度は見えるように得物を見せてあげるわ」 そういうとシルビアは日傘を出して柄の部分を引き抜き赤い刀身の刀を取り出した。 「東洋の仕込み刀って好きなのよね。そちらのナイト様の血は甘いわね」 刀についた修吾の血をすすりながら笑う。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加