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自分が強引に命じて連れ出しても、それで真生が幸せだと感じてくれなければ何の意味も無い。
「ふん、俺だけを迎えるあいつの顔はまだまだ見られそうにねぇな。」
隊士達と言葉を交わしながら楽しそうに過ごす姿を思い浮かべ、一人自嘲にも似た笑顔をこぼした。
そんな真生も愛しいのだと再確認し、手前勝手な独占欲を胸の奥へしまい込む。
暫くはこのまま忍ぶ関係を続けようと、仕事ついでに先の想像で己の欲求を満たした。
それから時折人知れず、部屋の外では決して見せない優しい笑顔が歳三の顔に浮かぶ。
いつか叶える願いの為に、今は日に日にやつれていく平助を生暖かい目で見守ろうと決めたのだった。
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