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サザァ、ザザァ。
「…ん、ここは」
波の音が心地よい、太陽が暖かい。ここはどこだ?
全然見覚えがない。どれも大きな針葉樹林、島のどこを見回しても途切れる事なく続いている。そして、一番目に入るのは島の奧にある三角形の大きな山だ。山自体が大きいため上の部分は白くなっている。
「あぁそうか」
寝転んで目を閉じたまま昨日の事故を思い出した、おれはあの時船から落ちたんだ、それで運良くこの島の流れ着いて助かったのか。
「てことは、もしかしてここって…」
「ZIPANGだぁよ」
「やっぱし?どうりで見たことない土地だと思ったぜ」
「お兄さんはどっから来たの?」
あれ?
「…俺か?俺はここよりちょっと北にある島に来たんだけど」
「そなんだ、オリはここに住んでるんだぁ」
まてまて
「……ZIPANG人か、初めて会った」
おい。
「実は僕も生きた他の国の人間を見たのは初めてなんだ」
ねぇ。
「…………そか。」
「うん」
「ねぇ」
「どうしたの?」
俺は閉じていた目をゆっくり、ゆっく~り開けた。そこには顔の下半分を隠して黒い装束をきた丸い黒目、黒の中髪、をした青年が俺の横にちゃっかり座って笑いながらこっちを見ていた。
「あんた、誰?」
「あぁ、自己紹介がまだだったね」
黒い奴は満面の笑みを添えて自己紹介。
こいつ、なんなんだ?
「僕は黒、ZIPANGの忍をやってるって…聞いてる?」
俺は心なしかクロなる奴から数メートル離れていた。
「あ、あぁ、よろしくなクロ」
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