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俺たちの国はってどういう事だ?
「当たり前だ、こっちが魔物を殺らなきゃ、俺達が殺られるんだ、クロ達だってそうだろ?」
クロは少しビックリした後、首をフルフル横にふった。
「そんなわけないよ。あ、ほら見えてきた。これが僕が今いる村さ」
「…なっ!?」
林から抜けた瞬間俺は微動だに出来なかった。
魔物がいる。
しかも隣には子供が!
条件反射で背中に手を回すがそこにはスレイプニルの形はない。
クロが持っていたんだ!
背筋が凍りつく。丸腰で魔物の前に出たら死ぬ。そう何度も俺は教えられた。師に、そして両親に
「クロ!スレイプニルを貸せ!あの子供死ぬぞ!」
「そんなに身構えなくても大丈夫だよ。ここの妖は大人しいんだヨゥ~なんつって」
「妖が…大人しい?」
クロのだじゃれは置いといて、確かに今目の前にいる妖は草食で大人しいけど人とふれ合うことはまずあり得ない。故意に近づけば勿論攻撃してくる。
「なに言ってる!良いから返せっ!」
クロの手から半ば強引にスレイプニルを取り返した。あろうことか妖は子供に向かって大口を開けて頭から食べようとしている、だから言わんこっちゃない
「はぁ~~~~ぁあ!」
頼む、間に合ってくれっ!
ばっ
っ何?
予想外の出来事で横に凪ぎ払おうとしていたスレイプニルの起動を無理矢理止めた。
子供が…子供が妖と俺の間に入ってきたのだ、妖を守ったのか…?
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