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今日は、
藤原兄さんと
デートの日、
それやのに.....
「、、、なんで
来ないんやろ兄さん」
約束の時間を
1時間以上も過ぎとる
というのに、
大好きな兄さんは
どこにもおらんくて
一応携帯もかけた、
けど聴こえてきたんは
機械らしき女性の声が
入った留守電だけやった
兄さんに何か
あったんやろか?
そればかりが
グルグルと頭を巡る
「、、、、っ、」
久々のデートで
舞い上がってたのは
俺だけやったのかも
知れない、、、
「はあー、、、、
今日わもう帰ろ」
気が付けば
空が暗くなっとった
涙を袖で拭い取って
立ち上がり、
歩きだそうと、
した時やった。
後ろから俺を呼ぶ
声が聴こえて、
ふと振り返ったら
そこには、遠くの方で
俺に向かって
手を振る兄さんの
姿があった。
その姿がだんだん
こっちに近付いてきて
(ガバッ)(ぎゅっ)
一瞬のうちにして
俺は兄さんに
抱きしめられとった。
抱き締めたまま
兄さんが何度も何度も
謝ってきた。
「すまん井上、
電話くれたんに
出えへんくて、ほんま
すまんな、、、」
「、、、っ、ええんです
そんなん、もう、、、っ」
会えないと
思ってた兄さんに
会えただけで
嬉しくて、そんな事は
もう、どうでも
良くなっとった。
「兄さん、今日わ
遅れてきた罰やから
俺のわがまま、
聞いてもらっても
ええですか?」
兄さんは、優しく
俺の頭を撫でながら
「おん、ええけど」と
言うてくれた。
********
「じゃあ、兄さん
今日はずーっと
俺と居って下さい」
「井上の為やったら
今日だけやなく
毎日一緒に居るけどな(笑)」
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