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それから数ヶ月…。
ここでの生活に少し慣れてきたころ。
ソフィア「ルシエルゥ~ちょっとお皿並べてくれる?」
ルシエル「たやすい事。」
手際良く、皿を並べるルシエル、それを見ているソフィアは、優しく微笑んでした。
平和…そんな言葉が似合う一日。
今日は、バリスの誕生日。
バリスは、当然の様に誕生日のお祝い事などしたことは無い。
と、言うかバリスの性格からして、そういうのは、恥ずかしがって、嫌だと思う。そのバリスの気持ちは、みな同じで充分すぎるほどわかっている。
ソフィア「いいルシエル、今日の誕生会の事は、バリスには絶対!ないしょだよ。」
ルシエル「…わかっている。しかし、そんなに嬉しいものなのか?」
ソフィア「当たりまえよっ!!一年で、この一日だけ、生まれたことに感謝して、今まで生きてこれた、ことに感謝して、その喜びをみんなで、分かち合える特別な日なの。」
ルシエル「わからないな。俺はいつ生まれのか、どうやって生まれたのか、親の顔だって知らない。」
ソフィア「ここで暮らしてるほとんどの人も同じよ、親も知らな子もたくさんいる、誕生日だって自分で好きな日に決めるんだよ。」
ルシエル「…。」
ソフィア「もうっまたそんな顔する、今、こうやってしっかり呼吸して、生きてることが一番大事なんだから!
人は一人じゃ生きていけないから弱いから、支えあって生きてる、だから。みんなでお祝いするの!盛大にねっ!!」
ルシエル「…。」
ソフィア「じゃ、ルシエルの誕生日は、私と同じ日にしよう!」
ルシエル「なっ!?。」
ソフィア「うん、だってーその方が嬉しさ二倍だもん。」
そんな話しをしていると、そこに今回の主役バリスがやって来た。
バリス「おぉ、なんか旨そうな匂いだな!」
ソフィア「そ、そう。」
バリス「パーティーか?」
ソフィア「い、いや。」
ソフィア(なんで、こんな時だけ勘が鋭いのよ~。)
ルシエル「バリス。」
バリス「んっ。」
ルシエル「コレ、向こうまで運ぶの手伝ってくれないか?」
バリス「んっ、まぁいいぜ。」
上手く、バリスを外に連れ出す事ができたのだった。
ソフィア「上手くやったわね。よし!今の内に準備準備。」
バリスを上手く外に連れだした、ルシエルだった。
その荷物を、倉庫まで、運ぶ二人。
ルシエル「…。」
バリス「……。」
(…………。)
バリス「ここの生活はどうだ?」
ルシエル「悪くは無い。」
バリス「俺達は、ここの生活を一生守っていくつもりだ。」
ルシエル「…。」
バリス「どうだ?お前もここを、一緒に守り続けていかないか?」
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