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泉には同年齢くらいの老人が何人か居ました。
まずは一口、
「ごくり」
体は少しずつ若返ります。
「ごくり、ごくり」
髪は黒々と生え始め、肌にはハリと若々しさが戻ってきました。どんどん体が若返っていきます。嬉しくなった浦島太郎は夢中で水を飲み続けました。
ふと、気付くと…浦島太郎は若返り過ぎて少年になってしまいました。周りの老人達も同じように少年にまで若返っています。
「なんて事だ! 老人になったり、少年になったり、あのカメを助けてから、俺の人生は、めちゃくちゃだ!」
浦島太郎はまた腹が立ってきました。
と、そこに泉に来ていた他の老人が浦島太郎に声をかけてきました。
「あなたが今、言ったカメとは竜宮城のカメの事ですか?」
「え? 竜宮城を知っているのですか?」
「知っていますとも…私もカメを助け竜宮城から帰って来たら天涯孤独の身になって玉手箱を開けてしまった者です」
「なんと!」
浦島太郎と同じ境遇の人が居たのです。泉に来ていた他の老人も皆同じでした。
「こうなったら、俺たちでカメに仕返しをしに行こうじゃないか!」
と言う事で、少年の体に若返った老人達はカメに仕返しをする為に急いで山を降りて行きました。
…もうお分かりですね?
物語の冒頭で、カメをいじめていた少年達は実は浦島太郎達だったのです。
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