鈍感青眼鏡と熱血赤馬鹿

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そして奇妙な音を発しながら財布が開いた。 「……………」 「どうだ!ちゃんとビームつけろよ!」 自信満々にそう言ったレッドの顔面に、開きっぱなしの財布が直撃する。 財布からばらばらと溢れ落ちる中身。 それは主にレシートの束だった。 あとはクーポン券やポイントカード。 札なんて一枚も入っておらず、辛うじて気休め程度に小銭が入っていた。 「いってぇ!何すんだよ!」 「何すんだよじゃない!こんな小銭でビームなんかつけられる訳ないだろ!ビームはおろか武器すらできるわけがない!」 「それ位お前の頭脳で何とかしろよ!頭だけは良いんだからよー!」 「頭だけってどういう意味だ!熱血馬鹿のくせに言ってくれるじゃないか」 俺がレッドの服に手をかけようとしたその時、 「やーめーなーさーいっ!」 突然後頭部を掴まれ、勢いよくレッドの額とぶつかり、鈍い音が部屋に響き渡る。
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