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雨は止むことなく降り続けているけど、そろそろ帰らないと見回りの先生がやって来る。
今は誰にも会いたくない。
一歩外に出れば容赦なく雨が体に降り注ぐ。
水分を含んだ制服は重くなり、ワックスでセットされていた髪は重力に耐え切れなくなった。
「……はははっ」
笑わないと。
明日また笑えるように。
無理矢理笑う俺の頬
流れ落ちる一筋の水は
雨か涙かわからなかった。
END.
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