不迷池

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「いっそ風邪でもひかないかな。そしたらライブも中止だよね。 こんな迷いを抱えたまま歌うなんて……いや」 淋しげに呟いた美雨は 最後にもう一度池へと視線を向けた。 そして…… 「えっ……光っ…てる!?」 目に映った池の様子に美雨は目を見開く。 池の水が仄かに光っているように見えるのだ。 「月の光…とかかな?」 そう思い空を見上げるも、いつの間に曇ったのか 月など出ていなかった。 再び池をよく見てみるが、やはり光っている。 しかもその光はどんどん増しているように思えた。 美雨は鼓動が早くなっていくのを感じた。 これは普通じゃない。 何かが起こるのではないか。 確証とも言える考えが頭をよぎる。 そして次の瞬間。 光は急激に広がり、美雨ごと辺り一帯を包みこんだ。
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