江戸

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不安に顔を曇らせる美雨に、恭太郎が言った。 「そなたならきっと大丈夫だ。 何に迷っているかは分からぬが、俺も早紀も力になろう。 答えが見つかるまで この"葵屋"にいるといい。」 「葵…屋?」 「この旅籠の名だ。 そういえば昨日はろくに自己紹介もしていなかったな。 俺の名は "葵 恭太郎"。 二十四だ。妹の早紀は十九。 二年程前に親を辻切りで亡くしてからは、早紀と二人でこの葵屋を営んでいる。」 「あ、私は東雲美雨です!18歳です!! 私も…親を二年くらい前に事故で亡くして……それからは祖父母と暮らしてました。 元の時代では一応"歌手"をしてました。」 美雨は慌てて姿勢を正すと、自分も自己紹介をした。
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