少女

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朝- 高校へと続く一本道を一人の少女が歩いていた。 「あーもう卒業かぁ…早いなぁ……」 少女がそう呟く。 卒業式を間近に控え、寂しさを感じているのか… いや、彼女の表情からは 寂しさとゆうより 卒業そのものを憂鬱に思っていることが読み取れる。 「でも約束だし……しょうがないよね。」 彼女の口から、自分に言い聞かせるかのような言葉がこぼれた。 その少女の名前は"東雲美雨"(しののめ みう) 18歳。 取り立てて特徴のない普通の共学校に通っている。 しかし、彼女自身は普通とは掛け離れていた。 まず特筆すべきはその容姿。 街を歩けば誰もが振り返るであろうという程に整った顔立ちをしていたのだ。 栗色の美しいロングヘアーを風に揺らし、長めの前髪からのぞく顔は驚く程にきめ細かく白い肌で、歳相応の可愛らしさを残しつつも やはり美しいという言葉が当て嵌まる。 化粧はしていないようだが、そんな必要はないと思わせる美しさだ。
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